Written By: トーノZERO
「うーむ」
「何か問題でも?」
「原作は人気小説らしいのだがね。小説で読んだらこれは面白いかも知れない」
「どこに問題が?」
「敵のイメージが明確ではない。小説だとね。どこかにいるはずの抽象的な敵への敵意で物語は進行できる。でも映画だとビジュアルが弱い」
「迷路とか、怪物がいるじゃん」
「どちらも具体性を欠くのだよね。ビジュアルイメージとしての悪意の具体性が無い」
「そうなのか」
「個別の描写はいいのだけどね」